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おやま内科クリニック

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アレルギーでお困りの方

アレルギーは治るの?

このような質問はアレルギーをお持ちの方なら誰でも思われることでしょう。残念ながら現在の医療では完治は望めません。アレルギー性鼻炎・結膜炎でいえばスギ、ひのき、ぶたくさ、はるがやなどの花粉が原因の多くです。スギのみにおいては花粉の少ないスギの開発など環境対策も進んでいるため期待が持てます。

スギの抗原が入った米なども開発され、手軽に減感作療法ができる方向になってきています。しかしながら、特定の抗原に対するワクチン開発の見込みがあっても抗原全てに対してワクチンで対応することは容易なことではありません。元々遺伝的要素を持っていることも多く、現在行われている抗アレルギー剤、外用薬、ステロイド、漢方薬、日常生活対策および減感作療法などそれぞれに合った治療法をみつけていくことが大切です。

アレルギー性鼻炎は迎え撃つ治療を!

花粉症であれば飛散開始日を参考にして前もって治療を開始することが大事です。毎年2月前後から飛散しています。感作で反応した免疫グロブリンは(IgE)増加していき症状出現までとなります。

症状出現までの血中IgE値は個人差や健康状態にもよるため決定できませんが、症状出現のため副腎ステロイドなど各種併用療法からなる導入療法から開始するのは好ましい方法ではありません。
ほぼ飛散開始日かまたは飛散するであろう日より1~2週間前からの初期療法予防的抗アレルギー剤服用をおすすめします。抗原が不明の場合は可能な限りそれを明らかにすることで抗原暴露予防のみで薬が必要ないこともあります。

風邪と間違えやすいアレルギー

風邪はウイルスが原因ですが、持続的アレルギーをこれと勘違いしている患者様が比較的多いことが米国アレルギー喘息免疫学会(AAAAI)の報告で明らかになりました。

くしゃみや鼻詰まり、鼻水などは感冒症状に類似していることが多いのですが、発熱や色のついた鼻水、痛みが伴う場合は風邪か副鼻腔炎といえます。アレルギーに発熱は見られず、鼻水は透明である。また、風邪の継続期間は約1週間であるが、アレルギーの症状はいつまでも続きます。

意外に多い咳喘息(cough variant asthma:CVA)

近年アレルギーが本態の疾患が増加の傾向にあるなかで、1980年代から急速に増加しているのが咳喘息です。ほとんどの患者様は感冒症状の改善後、乾性咳(から咳)がつづいて近くの医院でコデイン含有の鎮咳剤を処方されているが作用がなく、「咳が仕事(会話)中や電話中に連続して苦しい」という訴えで受診されます。

これは外来で扱う慢性咳嗽でもっとも多く、問診と聴診がポイントの疾患です。かぜウイルス感染後の気道過敏性亢進と考えられアトピー咳嗽という概念に近いといわれています。抗生剤や鎮咳剤などの作用はなく、気管支喘息に準じた治療が奏功し1週間から3カ月で症状が治まります。中途で治療終了すると再燃しやすいのもポイントです。

要注意!食物依存性運動誘発アナフィラキシー

ある特定の食物を摂取した後の運動で(サッカー、テニス等の全身運動)強いアレルギー症状(アナフィラキシー症状)を呈するものをいいます。(時には歩行程度の軽労作で症状を呈することもあるようです。)10歳代の男性に多く報告されています。1万人に1人位の確率で起こるようです。原因食物はさまざまですが小麦、海老などが多く報告されています。他に魚介類(蟹、イカ、貝など)、果物でも誘発例があるようです。皮膚症状:皮膚が真っ赤になったり、浮腫んだりして痒みが出てきていわゆるじん麻疹の様になる。

消化器症状

運動中から腹痛や下痢、嘔吐などが見られる。
喉頭浮腫による呼吸困難やショック症状などで生命に危険がおよぶ状態になることもあるようです。
対策は以下の通りです。

  1. 一度症状が出た場合には、その時に原因と推定された食物は食べないこと
  2. 食事摂取直後の運動を制限
  3. 運動中に初期症状を感じた時は直ちに運動中止
  4. もしも初期症状が出たら早めの医療機関受診を

アレルギーのお薬

抗ヒスタミン剤

比較的即効性が認められますが、抗ヒスタミン(抗ヒ)作用で眠気をおこしやすいという弱点があります。この抗ヒ剤の代表にポララミンがあり、「運転前内服はキツイ!」など日常の内服タイミングに気を使い制約が出てしまいます。

抗アレルギー剤

最近のこの種の製剤は「眠気」を克服しているものが多いようです。本来の予防作用と抗ヒ作用を付加して即効性を出しているものも多くなっています。この場合は眠気を感じる方もあります。抗トロンボキサンA2薬やロイコトリエン拮抗剤眠気はあまりありません。

ヒスタグロビン

非特異的減感作療法としてMSアンチゲンや金製剤などと同様にヒスタグロビンという血漿分画製剤があります。注射は1〜2回/週の皮下注射を6〜8回行います。この作用は以前に行っていた治療経過や作用も関係することがあります。

副腎ステロイド

自然免疫と獲得免疫の双方に働き、多種の疾患に使用します。アレルギーにおいても画期的な作用を期待できますが、長期使用により、その生じ得る副作用は多彩であり特に注射、服薬および皮膚科用外用薬等においては慎重に行う必要があります。

漢方薬

アレルギーに対する漢方薬といっても、さまざまな薬が使われます。例えば鼻アレルギーの急性期と慢性期(体質治療)でも違ってきますし、くしゃみ・鼻水型と鼻閉型、若年者と中高年および体力ある無しによっても使用薬剤は異なってきます。

急性期は「水毒」を中心に考え、慢性期は弱い部分を補うことで症状が良くなると考えますので、患者様個人の診察で処方内容も変わってきます。これまで記載した治療方法と別の作用アームとして併用したり、バックアップとして処方することで働きを助ける作用がございます。